グローバルヘルスケアクリニック様
導入事例

クリニックでの感染症診療を考える。withコロナ時代のインフルエンザ検査・治療とは

グローバルヘルスケアクリニック

院長:水野泰孝 先生
nodoca導入時期:2024年夏
東京・千代田区に位置する、グローバルヘルスケアクリニック。院長の水野泰孝先生は、大学病院での勤務や開発途上国への赴任経験を活かし、2019年の開業以来「Patient First」を掲げた医療の提供に尽力しています。

今回は水野先生に、感染症専門医の視点からwithコロナ時代のインフルエンザを中心とした感染症診療のあり方や、クリニックにおける医療DXの取り組みなどのお話を伺いました。

季節を問わず一年間通じて、インフルエンザ患者を診療

▲水野泰孝(みずの・やすたか)/グローバルヘルスケアクリニック院長。東京慈恵会医科大学大学院修了後、国立国際医療研究センター、在ベトナム日本大使館医務官、 東京医科大学准教授、同大学病院感染制御部長・ 感染症科長などを歴任。2019年に同クリニックを開業。日本小児科学会認定小児科指導医、日本感染症学会認定感染症専門医・指導医。

——クリニックが位置する地域の特徴や、治療の特色についてお教えください。

水野先生:当クリニックは、東京23区の中心部である千代田区麹町に位置しています。千代田区の夜間人口は約6万6000人と東京23区で最も少ないですが、昼間人口は90万人にも上ります。周辺に複数の大使館があるため、外交官や特派員の方も多いですね。また、インバウンドも多く、様々な国籍の受診者、様々な感染症に対応できる体制を整えています。

私自身はこれまで大学病院やナショナルセンターを基盤に小児科および感染症内科、特に熱帯感染症の臨床と研究、海外渡航者の健康管理など、いわゆる「グローバルヘルス」と呼ばれる領域に従事してきました。その経験を踏まえた医療を、より身近な形で提供したいとクリニック開業を決意しました。

麹町界隈は、多くの企業や大使館が集まる街と閑静な住宅街という二つの顔を持ちます。グローバルな医療ニーズに対応しつつ、あらゆる世代に対応するかかりつけ医としての役割を果たしたい。そう考えてこの街で開業しました。

——年間を通してインフルエンザ患者が来院すると伺いました。その理由は何でしょうか。

水野先生:インフルエンザは季節に関係なく、一年中感染する可能性があります。特に熱帯・亜熱帯地域では常にインフルエンザがくすぶっているため、そこから帰国した方が発熱症状を訴えて来院し、夏でもインフルエンザと診断されるケースがあります。

感染症診療の基本は変わらない

——コロナ禍を経て、感染症診療はどのように変化しましたか。

水野先生:コロナ禍の前後でも基本的な考え方は変わっていません。最も重要なのは、標準予防策と感染経路別予防策を徹底することだと思います。

 

当クリニックには開院当初から小さな隔離室を設けていますが、コロナ禍ではこの部屋をフル活用していました。新型コロナ発生当初は患者さんの動線を厳密に管理し、発熱のある患者さんについては隔離室で診察から会計までを完結させていました。現在でも体温が37度5分以上ある患者さんには、隔離室に入っていただいて診察を行っています。

——withコロナ時代の感染症診療に求められるものは何だとお考えですか。

水野先生:大切なのは、新型コロナを特別視しないことです。感染症対策の基本に立ち返り、標準予防策と感染経路別予防策をしっかりと行うことが重要です。新型コロナであろうがインフルエンザであろうが、初期対応に大きな違いはありません。

むしろ、不適切な防護具の着用や意義の低い過剰な感染対策などは、かえってリスクを高める可能性があります。アクリル板やビニールカーテンの設置はその一例です。感染者の飛沫付着による接触感染、換気不良によるエアロゾル感染など、二次的リスクが生じる可能性もあります。適切な感染対策の知識を持ち、冷静に対応することが必要です。

「Smooth & Smart」を実現。医療DXの取り組み

——先生がクリニック運営で大切にされているのは、どんなことでしょうか。

水野先生:Safety(安全な医療)、Speciality(専門性の高い医療)、Satisfy(満足のいく医療)、Smooth & Smart(スムーズでスマートな医療)の4点をコンセプトとしています。

 

その中でも「Smooth & Smart」は都心のクリニックならではの指針で、お仕事などで忙しい患者さんに配慮したものです。例えば、昼休みにも受診してもらえるよう午前の診療を13時までとしたり、Web予約システムを導入して待ち時間を最小限に抑えたりしています。また、キャッシュレス決済の導入や、ペーパーレス化などによる効率的な診療を心がけています。

——nodocaを導入した理由をお教えください。

水野先生:従来の抗原検査が得意としていない、まだウイルス量が増加していない発症早期の患者さんにも適用できる点と、侵襲的な検査が苦手な患者さんにも使用できる点がポイントだと思います。

また、AI診断支援ツールとしての可能性を秘めているnodocaに対しては、将来への期待が大きいです。今後、インフルエンザ以外の他疾患も判定できるようになれば、さらに臨床的意義のある有用なツールになるでしょう。

——nodoca運用上の工夫などがあればお教えください。

水野先生:当院ではレイヤード社のWeb問診システム『Symview』を活用しています。予防接種の際の問診で、患者さんが画面上に署名できる機能は非常に便利です。また、患者さんが入力した問診の内容を電子カルテにもスムーズに連携させることができて、重宝しています。

今回、nodocaの導入をきっかけに、インフルエンザ検査希望の患者さんへの対応も変更しました。来院前のWeb問診で抗原検査かnodocaによる検査か、希望する検査方法を選んでいただくようにしています。nodocaを選択された方には、AI判定に必要な問診情報等をあらかじめ入力したうえで来院いただくことで、来院時の待ち時間を短縮し円滑な診療につなげています。

全国の開業医に向けたメッセージ

——クリニックにおけるインフルエンザ診療について、全国の先生方へアドバイスをお願いします。

水野先生:感染対策の基本に立ち返ることが重要だと考えています。医療関連感染対策を確実に行うことで、インフルエンザや新型コロナに限らず、感染症全般への対応に繋がります。地域や施設の特性は様々ですが、それらに見合った対応を実践していただければと思います。

——インフルエンザの流行期と非流行期、それぞれで検査や治療に違いはあるのでしょうか。

水野先生:流行期と非流行期という観点で見ても、大きく対応を変える必要はないと思います。グローバル化が進んだ現在、いつどこからでもインフルエンザウイルスが持ち込まれる可能性があるからです。

多くの方が先入観を持ちがちですが、そもそも感染症対策は全て一律の対策が必要です。インフルエンザや新型コロナだから、シーズンだから何か特別に対策が必要というものではありません。

——最後にnodocaの導入を考えている先生へ、メッセージをお願いします。

水野先生:nodocaは、インフルエンザ検査にとどまらない可能性を秘めています。インフルエンザ検査の効率化はもちろんですが、患者さんに咽頭画像とともに検査結果を示せるのも大きな利点です。視覚的な情報の提供は患者さんへの説明にも役立ち、診療の質を向上させるものだと期待しています。

インタビュー・写真:水谷秀人

nodocaの導入に関するご質問、ご相談はお気軽にご連絡ください。

CONTACT
お電話でのお問い合わせはこちら
平日10:00~17:00
ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください
nodocaの資料は
こちらから
logo_aillis
ページトップへ戻る

あなたは、医療従事者・医療関係者ですか?

ここから先は、医療従事者・医療関係者を対象に作成されております。