ことのハートクリニック様
導入事例

患者とAIの架け橋
ことのハートクリニックが描く医療の未来

ことのハートクリニック

院長:琴野巧裕 先生
nodoca導入時期:2023年冬
石川県小松市のことのハートクリニックは、2023年11月に開業した内科・循環器内科・小児科のクリニックです。スタッフを大切にし、患者さん一人ひとりのニーズに寄り添う診療を心がける一方で、nodocaをはじめとするAIツールを積極的に導入。地域に根ざしながら次世代の医療を模索する琴野先生にnodocaの活用状況や、医師とAIが築く医療の未来像について伺いました。

理想の医療を追求する

▲琴野巧裕(ことの・よしひろ)/ことのハートクリニック院長。富山大学医学部を卒業後、東京女子医科大学病院、済生会熊本病院心臓血管センター、やわたメディカルセンターなどで勤務。2023年に同クリニックを開業。日本内科学会認定医、日本循環器学会循環器専門医。

理想の医療を追求する

——勤務医から開業を決意されたきっかけは何だったのでしょうか。

琴野先生:私は元々どちらかというと現場人間なんです。人にはそれぞれ得意分野があると思っていて、論文を書くのが得意な人、研究が好きな人、教育が上手な人、臨床が得意な人...私は完全に臨床向きでした。研究の道を目指すよりも、目の前に来た患者さんを助けることに集中したい、いつからかそう思うようになったことが、開業を考えるようになったきっかけです。

 

 

——その「患者さんを助けたい」という思いを実現するため、開業に際して特に重視されたことは何でしょうか。

琴野先生:スタッフを大切にすることです。理想の医療を実現するためには、チーム医療の実践が必要です。患者さんを助けたいという思いを叶えるためにも、スタッフの健康や幸せに働けているかを第一に優先し、最終的にそれを患者さんに還元していけるようなシステムを作りたいと思いました。

——内科・循環器内科から小児科まで、幅広い領域を対応されていますが、それぞれの患者さんに対してどのような配慮を心がけていらっしゃいますか。

琴野先生:特に小児科の外来では、子どもたちに恐怖感を与えないように気をつけています。ワクチン接種をする際も、なるべく素早く行うようにしています。

大人の患者さんに対しても、個々のニーズに合わせた対応を心がけています。スピーディーな診察を好む方には効率的に、じっくり話を聞いてほしい方にはゆっくりと時間をかけるなど、患者さんの希望に沿った診察を行っています。ただし、「早い」と「雑」は異なるという認識のもと、迅速な診察の中でも丁寧さを失わないよう心掛けていますね。

スタッフと患者を大切に

——開業から1年弱で多くの患者さんが来院し、常勤医師や検査技師なども迎え入れられるとのことですが、集患が成功されている要因は何だとお考えですか。

琴野先生:実は特別なことはしていないんです。野立て看板も出していませんし、SNS広告も一切出していません。その分をスタッフの給与や待遇に回せたらという考え方です。ただ、患者さんへの対応には気を配っています。ある大雪の日には、雪の中来てくれた患者さんに手淹れの温かいお茶をお出ししたこともありました。

直接集患につながることではないかもしれませんが、こういった取り組みの積み重ねが地域の方々に選んでいただく秘訣かもしれません。

——様々なAIツールの導入は、クリニック経営にどのような影響を与えているのでしょうか。

琴野先生:経営面での大きな変化というよりは、患者さんの満足度向上に貢献していると感じています。例えば、AIを活用したレントゲン読影支援システムにより、患者さんへの説明がより分かりやすくなりました。AIが、指摘した箇所を視覚的に示すことで、患者さんの理解が深まります。

また、音声入力システムの導入により、患者さんと目線を合わせながら診察を行えるようになりました。私の発言がそのままカルテに記録されるため、説明漏れや記録ミスが減少し、患者さんとの信頼関係の構築にも役立っています。

nodoca 臨床使用の実際

——nodocaを導入された理由は何だったのでしょうか。

琴野先生:nodocaの説明を聞いた際、すぐ導入を決めました。従来のスワブを使った検査で患者さんが痛がる様子を見てきただけに、痛みの少ない検査方法という点に大きな魅力を感じたんです。

——現在、nodocaはどのような場面で利用されていますか。

琴野先生:昨シーズンは約1400回ほどnodocaによる検査を行いましたが、基本的に「nodocaファースト」の方針で使用しています。発熱患者さんが来院した場合、まずnodocaで検査を行います。ただし、インフルエンザとコロナの流行状況に応じて、検査を使い分けることもあります。

例えば、市中の流行状況がコロナ9割、インフルエンザ1割程度の場合は、まずコロナ検査を優先します。両者が拮抗している場合は、痛みの少ないnodocaでインフルエンザ検査を先に行い、陰性であれば新型コロナの検査に移行します。

——nodocaを導入されて、診察にはどのような変化がありましたか。

琴野先生:診察のスピードが向上しましたね。従来の検査方法では、患者さんに待機してもらい結果を確認するという流れでしたが、nodocaでは患者さんと共に画面を見ながらリアルタイムで結果を確認できます。また、診察の流れがよりシステマティックになり、患者さんの診察室の出入りが減少するなど、効率化も図れました。

——2台目のnodocaを導入されたとのことですが、期待される効果をお聞かせください。

琴野先生:2台目の導入は、診療体制の拡充に伴うものです。新たに常勤医師が加わることで、複数の患者さんを同時に診察できるようになる予定です。これにより、待ち時間の短縮が期待できます。nodocaを使った検査を2人の医師が並行してできれば、より多くの患者さんに対応できるようになるでしょう。

また、昨シーズンも多くのnodoca検査を実施しましたが、今シーズンはさらに検査数が増加する可能性があります。特に、昨シーズンは11月の開業だったため、インフルエンザのピーク時期を完全には捉えきれていませんでした。今シーズンは通年で診療を行うため、使用回数が増加すると予想していますが、2台体制にすることで、この需要増加にも十分に対応できると考えています。

AIと医師の協調を目指して

——nodocaにとどまらず、医療AIと人間が共存する未来の医療について、琴野先生のビジョンをお聞かせください。

琴野先生:AIが医療に果たす役割は非常に大きいと考えています。人間はどうしてもヒューマンエラーを犯すものですが、AIはそれを予防する役割を果たせます。例えば、見落としの防止やハイリスク患者の早期発見などが可能になるでしょう。ただし、AIにも苦手な分野があります。例えば、通常とは異なるデータの解釈や、情報が不十分な場合の判断などはAIにとって難しい場合があります。
そのため、私はAIを判断材料の一つとして捉えています。最終的な診断や治療方針の決定は、やはり医師が行うべきだと考えています。AIは今後も進化を続けるでしょうが、それは判断材料が増えるということであって、判断そのものをAIに委ねるわけではありません。
将来的には、AIが出した結果を医師が適切に評価し、それを患者さんに還元するという形になるでしょう。AIと人間が協力し合うことで、より質の高い医療を提供できる未来が来ると信じています。

インタビュー・写真:水谷秀人

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