▲木村大輔(きむら・だいすけ)/ふじえだ耳鼻科院長。浜松医科大学を卒業後、浜松医科大学附属病院耳鼻咽喉科などで勤務。2002年にふじえだ耳鼻科の前身となる、ふじえだ耳鼻咽喉科クリニックを開院。
▲看護師の金子さんはnodoca運用の要となる存在
金子さん:先生にnodocaで撮影してもらうまでの手順は一工夫しています。まず、患者さんを受付する際に、症状や発症日などからnodocaによる検査対象になりえる方をスタッフ内で相談しています。そして、検査の可能性が高い患者さんに問診票をお渡しして、最終的に先生の判断でnodocaを使用します。
木村先生:舌が下がりにくい患者さん以外は、多くの方にnodocaを使っています。インフルエンザは、新型コロナと同時に感染すると、他の感染症による同時感染と比べて重症化リスクが高い疾患です。インフルエンザと新型コロナに同時感染していないか調べることが、治療方針を決める上で重要です。
木村先生:「痛みが少ない」という点はもちろんですが、「もう結果が出たんですか?」と検査結果が分かるまでの時間を短く感じる患者さんも多いです。あとは「AIで分かるなんて時代ですね!」と新しい技術に驚かれる方もいますね。
木村先生:「痛みが少ない」のは最大のメリットだと思います。耳鼻科は子どもの頃から患者さんに「痛い」「怖い」というイメージを持たれがちです。ふじえだ耳鼻科では痛くない診療を心がけていますが、それにも適していると感じます。
あとは判定結果が出るまでの速さですね。患者さんと話しているうちに結果が出ますから、それもメリットの一つです。抗原検査などのように検体を取って院内で待ってもらい、スタッフが説明を行う流れでは、やはり時間がかかってしまいます。感染リスクも高いですよね。検査をしてすぐに判定結果が出ることで、感染のリスクを抑えられるメリットもあると思います。
また、2021年9月には行政の要請で往診車を用意しました。補助金が一切出なかったので、SNSで支援を呼びかけた結果、電源や大型のファンなど感染対策に必要な設備を搭載することができました。
金子さん:私自身、新型コロナに3回感染して、いずれも薬を使って重症化を防いだり、オンライン診療を利用したりする経験をしました。普段は自分が患者さんを支える立場ですが、自分が感染を経験したことで患者さんと医療者の立場を両方理解できるようになったと思います。そんな経験から、先生と一緒に自分も新しい技術や取り組みに対応できるよう心掛けています。
インタビュー・写真:水谷秀人
※nodoca、nodocaクラウドは、アイリス株式会社の登録商標です。