まついファミリアクリニック様
導入事例

インフルエンザの早期診断・治療介入を実現。AI医療機器導入によるクリニックブランディング

まついファミリアクリニック

副院長:松井聡 先生
nodoca導入時期:2022年冬
まついファミリアクリニックは、2020年にリニューアル開業した岐阜県岐阜市の内科・小児科・外科・小児外科クリニックです。ご尊父である院長が開業以来、小児科クリニックでしたが、県内の大学病院や基幹病院で臨床経験を積んだ松井 聡先生が副院長に就任後、地域の老若男女の方々を幅広く診療するように。nodoca(※1)を導入後、わずか数ヶ月で100名以上の患者さんがnodocaによるインフルエンザ検査を受けました。

nodoca導入のメリット、AI医療機器を積極的に導入する理由などを松井先生にうかがいました。

老若男女、幅広い患者さんに寄り添い、地域医療を支える

▲松井聡(まつい・さとし)/まついファミリアクリニック副院長。岐阜大学医学部卒業後、岐阜大学病院、岐阜市民病院などで勤務。2020年に父である院長とともにまつい小児科・小児外科医院からまついファミリアクリニックに改名し、リニューアル開業。医学博士、日本外科学会専門医、日本消化器外科学会指導医・専門医。

——クリニックのリニューアル開業時、どのような想いから「ファミリアクリニック」と命名されたのでしょうか?

松井先生:院名の「ファミリア」という言葉は、和訳すると「身近な」や「親しみやすい」といった意味を持ちます。そのまま「松井クリニック」のような名前を付けてしまうと、少し冷たい印象があると感じ、親しみやすさを押し出した名前をつけました。

もともと私は外科医なのですが、外科医は開業医としては専門性をアピールしにくい存在なんです。逆に言えば、幅広く患者さんを診療できることが取り柄でもある。そういった背景もあり、小児から高齢者まで老若男女の方々を診ることを特色としています。年齢や専門の垣根を越えて患者さんを診ることで、地域のみなさんに貢献するのが私の使命だなと。現在は地元の小学校の校医を務めたり、在宅医療を行ったりもしています。

——nodocaを利用される患者さんはどのような方が多いでしょうか?

松井先生:あまり侵襲的な検査を好まれない方への選択肢として、よく使っています。基本的には抗原検査とnodocaを患者さんに紹介し、患者さんご自身に選んでもらいます。あえてこちらからnodocaの利用を押し付けることはしていません。

実際に患者さんにnodocaを紹介すると、「そんなことができるの?すごいね!」という反応をする方が多いですね。そして、「AI」というキーワードにも敏感です。患者さんも「鼻に入れなくていいんだったら、それでお願いします」と言われる方が多いです。AIが判定してくれる珍しさと、痛くない点を評価してnodocaを選択する患者さんが意外に多いですね。

インフルエンザの発症早期の診断と早期治療介入に貢献

——臨床上のnodocaの導入メリットはなんでしょうか?

松井先生:患者さんに対する侵襲性が低いというのももちろんありますが、発症早期の患者さんに対する臨床成績がメリットの一つです。一般的にウイルス量をみている抗原検査では、ウイルス量が増加するにつれて感度が高まっていく傾向があります。他方で、ウイルス量が十分でない発症早期では、感度が下がるとされています。

nodocaは50万枚以上の咽頭画像を元に開発されており、咽頭画像と問診情報等を元にAI判定を行います。ウイルス量が十分でない発症早期でも判定ができるという点は、早く治療を受けたい患者さんにとって大変なメリットであると思います。実際に当院でも、nodocaを用いてインフルエンザ発症早期の患者さんの診断支援ができています。

これまでのように患者さんに「まだ発症から時間が経っていないから、今日は抗原検査で正しい判定結果が出ないかもしれないので、明日改めて来院してください。」と言わなくても、咽頭撮影、問診情報等の入力後にワンクリックで数秒〜十数秒で判定結果がかえってくるところを最も評価しています。

▲治験データにおける、発症経過12時間毎の抗原検査との感度比較(※2)

インフルエンザは発症早期に診断できれば、ウイルス量が少ない発症初期に薬物治療を開始できるため、症状の悪化を最小限に抑えられる可能性があります。また患者さんの有症状期間を短くしてあげられる可能性も高まります。 

 

Withコロナ時代にあっても、NEAR法やPCR法などの核酸増幅検査や、迅速抗原定性検査または定量検査の可能なPOCT機器と、AI検査機器であるnodocaを組み合わせることによって、発症早期の発熱患者さんでも、新型コロナウィルス、インフルエンザともに迅速に判定ができると思います。

在庫管理の負荷を低減できる可能性

——クリニック経営面のnodoca導入のメリットはなんでしょうか?

松井先生:インフルエンザの抗原検査キットは、流行期になると枯渇することがあります。反対にあらかじめ沢山在庫を確保したものの、全てを捌けないこともあります。流行状況が予測できない中で検査キットの在庫を事前にどの程度確保しておけば良いのか、正確に把握することがなかなか難しいです。

nodoca導入後も検査キットを全く用意していないわけではありません。しかし、nodocaと抗原検査を併用することで、検査キットが不足している時もインフルエンザ検査を行えたり、検査キットの過剰在庫を抱える負担を減らせたりすることができます。

また、抗原検査キットよりもnodocaの消耗品であるクリアシースのほうが使用期限が長いこともメリットです。期限が短い検査キットは、そのシーズン中に使えないと廃棄になってしまいます。実は在庫を1セット持っていたものの、まるまる使わなかったこともありました。もったいないですよね。クリアシースは、厳密な温度管理が必要ない点もありがたいです。

新しい技術に乗らないと医療レベルが落ちてしまう

——nodocaの他に、どのようなAI医療機器を導入しているのでしょうか?

松井先生:一つは、来院前に患者さんが行う事前問診ツールです。問診を通じて、患者さんから情報を引き出すのをAIが支援してくれるのです。より正確な患者さんからの情報にもとづいて、診察前の事前準備を行いやすくなっています。

もう一つは胸部X線画像の読影を支援するツールです。内科では、咳や熱がある時などに胸部のレントゲンを撮る機会が多いのですが、必ずしもがんを見つけるために撮るわけではありません。他の疾患を探りながら読影していると、腫瘍を見落としてしまう可能性もゼロではない。それをAIがカバーしてくれます。

——先生がAI医療機器を積極的に導入する理由はなんでしょうか?

松井先生:日進月歩で進んでいく、新しい医療技術の流れに取り残されないようにするためです。AIはこれからの医療に必要な技術の一つだと考えています。なるべく新しい技術には食いついていきたい。常に新しい技術の流れに乗っていかないと、提供できる医療のレベルが落ちてしまうかもしれません。nodocaは、その考えをまず一番身近な部分で実践したくて導入したもののひとつです。

——もともと、先生は最新の技術が好きだったのでしょうか?

松井先生:むしろ逆で、元々は新しい技術を取り入れることに躊躇するタイプでした。ですが、勤務医時代に新しい技術から取り残されそうになる経験をしたことがあり、以来このままではいけないという危機感を持ち続けていたのです。

消化器外科医として病院に勤務していた若手の頃、侵襲性の高い開腹手術が外科医の主流の時代でした。その後、徐々に侵襲性の低い内視鏡手術が浸透してきました。日々ダイナミックな開腹手術の手技に研鑽を重ねてきた自分は、新しい技術やデバイスを取り入れることに当初後ろ向きだった経験がありました。

その時の経験を経て、勤務医時代も今もできるだけ新しいことには食らいつこうという気持ちに変わりました。

おわりに

——nodocaの導入を考えている先生へ、アドバイスをお願いします。

松井先生:いずれの医療においても「低侵襲・早期診断・早期治療」は患者さんにとって大きなメリットです。nodocaは、インフルエンザ発症早期の患者さんの診断支援に応えられるデバイスの一つです。

クリニックの経営者の立場から見ても、nodocaの導入が結果として、地域の他のクリニックとの差別化につながり、集患にもつながる可能性があると思います。また、現在はnodocaの適応はインフルエンザのみですが、今後さらに進化する可能性を秘めているデバイスだと思います。

今からnodocaを導入・活用してあらかじめノウハウを蓄積していれば、近い将来患者さんにさらに良い医療をnodocaを通じてタイムレスに提供できる可能性があります。こうした先端技術への先行投資として、nodocaは決して高い買い物ではないと考えます。

 

※1)nodoca、nodocaクラウドは、アイリス株式会社の登録商標です。

※2)nodoca添付文書より引用

インタビュー・写真:水谷秀人

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