はまこどもクリニック様
導入事例

患者さんの負担の軽さが決め手。「痛みの少ないインフルエンザ検査」を地域の子ども※1に提供中(はまこどもクリニック)

はまこどもクリニック

院長:濵武継 先生
nodoca導入時期:2022年冬
はまこどもクリニックは、2021年に開業した大阪府熊取町の小児科クリニックです。「可能なかぎり痛みの少ない検査を提供したい」という院長の濵武継先生。同クリニックでは2022年冬よりnodocaを導入しました。そんな中、この冬3年ぶりにインフルエンザが流行。既に100人以上の患者さんがnodocaによるインフルエンザ検査を受けたと言います。

導入前のインフルエンザ検査の状況や導入後の変化、nodoca導入を考えている先生へのアドバイスなどを濵先生にうかがいました。

nodoca導入の決め手は「侵襲性の低さ」

▲濵武継(はま・たけつぐ)/はまこどもクリニック院長。鳥取大学医学部卒業後、和歌山県立医科大学附属病院、University of Tennessee Health Science Centerなどで勤務。2021年に同クリニックを開業。日本小児科学会小児科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医。

——nodoca導入前に抱えていたインフルエンザ検査の課題を教えてください。

濵先生:コロナ禍以降、スワブを使った鼻咽頭検査を受ける機会が増えました。例えば、学校でひとり熱が出たら「コロナかもしれないから病院検査に行ってきなさい」といった次第です。

新型コロナが流行ってしまったために、あらゆるタイミングでスワブ検査が求められるようになりました。そういったこともあり、みなさんかなり怯えています。私が保護者の方から話を聞いている間、子どもが横で鼻を押さえて検査を嫌がっていることもあります。

子どもの中で、病院に行ったら必ずスワブ検査するものだという、固定観念が植え付けられているように感じますね。

——導入前、nodocaにどのような印象を持ちましたか?

濵先生:とても画期的な機械だと思いました。初めて聞いたときは「本当にできるの?」というのが正直な感想でしたね。

なので、検出のロジックや他の抗原検査と検出度に遜色がないかなど、気になる部分をメーカーに確認しました。論文や実験データのもとでしっかりと説明されていて、理論的にも正しい。お話を聞いた上で、臨床現場で使用することに決めました。

もちろん「そんなことができるのか」という驚きもありましたが、非侵襲的なのが魅力的でした。口を開けていれば、それで検査が終わってしまうんですよね。

私は小児科医として、子どもになるべく侵襲度の低い医療を提供したいです。例えば、注射針も細い針を使って痛みを軽減できるようにと考えています。同様に痛くないインフルエンザ検査を提供できないか、という思いを以前から持っていました。

すでに100人以上がnodocaによる検査を体験

——nodoca導入直後の印象はいかがでしょうか。

濵先生:正直、子どもや保護者の方には少し戸惑いが見られました。インフルエンザ検査と言えば、みんなスワブを想像します。のどを撮影してインフルエンザを診断できるとは思わないんです。現状では、子どもと保護者の方にどういった検査なのか、しっかりと説明する時間を割いています。

もちろん、私がnodocaの仕組みについて説明をしている間、看護師に検査準備をしてもらうなどオペレーションを整えて、診察時間全体が長くならないように工夫しています。

——患者さんの反応はいかがでしょうか。

濵先生:大きな子どもほど興味を持たれますし、ご家族の反応も「えぇ!」といった反応ですね。「そんなことできるんですか?」「令和ですね」なんて声をいただきます。AIが診断していることを説明するとさらに驚かれる方もいらっしゃいます。

実際に撮影する時は、子どもにリラックスしてもらうことに努めています。静かな診察室でシャッター音だけが響いていても緊張してしまいます。「今いけてるよー」「うまく撮れてるね」と声をかけ続けています。すると、子どもも「あー」と自分から声を出してくれるんですよね。その掛け合いを見ながら、横で保護者の方が笑顔を浮かべていることも多いです。

スワブ検査だと、泣きわめく子どもを私と看護師、保護者の方が3人がかりで押さえて検査していました。本当に大変でしたし、何より子どもが動いて生じる飛沫で保護者の方や看護師が感染してしまう可能性が高まります。従来の検査とnodocaで落ち着いて行う検査とでは、全く検査風景が違いますね。

——集患へのインパクトはありましたか。

濱先生:一番分かりやすいのは、きょうだいですね。最初に上の子が来院して、次に下の子が発症することもあります。すると「同じやつでやってほしい」と言われます。徐々に「鼻の検査じゃないやつ」というイメージでnodocaが知られ始めています。

あとは、保護者同士のコネクションの強さも感じます。「先生のところだったら、鼻の検査をしなくてもインフルエンザが分かると聞いた」と来院された保護者の方に言われたこともありました。現在は、一家のつながりや保護者のつながりによる、口コミの影響が大きいですね。

当院では、nodocaを導入した2022年末から今まで(※2 取材は2023年3月末に実施)、100回以上の検査を実施しました。

——既にそんなにご活用いただいたのですね。インフルエンザ検査を受けるお子さん全員にnodocaを使用されているのでしょうか。

濱先生:いいえ、必ずしもそうではありません。ある程度身体が大きな子どもや成人にとっては、nodocaは非侵襲的と言えます。ですが、小さな子どもの場合は、口を開けることが難しかったり、空嘔吐が出てしまいやすかったりします。迅速にスワブ検査をした方が負担を軽減できる可能性もあるんです。

そのため「スワブ検査を素早く行ったほうが、患者さんにとっては楽だ」と考えておられる先生もいるかもしれません。これに対する私の答えは、「nodocaと鼻咽頭拭い液、どちらも選べるけどどうしますか?」と提案し、患者さん自身が決められるのが良いのではないかと考えています。

オペレーションを洗練させて、スムーズな検査を実現

——インフルエンザ疑いの患者が来た時のnodoca利用の流れを教えてください。

濱先生:患者さんが熱や咳、鼻水などを訴えて来院されると、隔離室で待機してもらいます。次に、患者さんの訴えを把握してから、私が患者さんの待っている隔離室に行き、診察します。インフルエンザの疑いがある場合、自分の口を大きく開けられるお子さんであれば、私が本人と保護者の方にnodocaの使用を提案します。

「鼻の検査もあるし、今はのどの写真でもインフルエンザが分かるけどどうする?」といった具合です。その時、理解が早い子どもは「え、鼻ないん?」と少し嬉しそうになります。
nodocaの使用が決まったら、私はインカムで「nodocaの検査いきますね」と看護師に伝え、nodocaを取りに隔離室を退室します。代わりに看護師が隔離室に行き、nodocaのための問診情報を記入し、患者さんの脈拍を計測します。

私がnodocaクラウドで患者情報を作成したあと、nodocaを持って隔離室へ再び行き、患者情報を確認して患者さんののどをnodocaで撮影します。この間に、看護師はnodocaクラウドに問診情報を入力してくれています。私は、nodocaの撮影が無事終わったあと隔離室を離れ、nodocaクラウドに入力された問診情報と写真を確認し、診断ボタンを押すのです。

陽性の場合は看護師が結果を説明。私はカルテを入力、処方箋を作成して、看護師が患者さんをお帰しします。

——nodoca利用時にどのような工夫をされていますか?

濱先生:まずはネットワークの強化。nodocaは、のどの写真をクラウド環境にアップする必要があるため、利用はWi-Fi環境下のみに限られます。そのため、院内のどこでもnodocaが使えるよう、インターネット環境の質に気を配っています。
▲濱先生自作の問診票とnodocaの問診入力画面の一部
もう一つはこの紙の問診票です。これは実際に患者さんに渡す問診票ですが、nodocaの管理画面と同じレイアウトで作成しています。上から見ていけば、「あり」「なし」を見て画面に入力していくだけなので、看護師が素早く問診票の内容をnodocaクラウドに転記できるんです。

患者さんの苦痛を小さくしたい、医療の未来を共創したい先生に

——nodocaを使われていて、良いと感じた点を教えてください。

濱先生:一つは、患者さんの侵襲性が少ないこと、もう一つは診断結果がすぐ出ることですね。nodocaでは数秒から十数秒で結果を出してくれるのはありがたい点です。

——最後に、導入を考えている先生へのアドバイスを教えてください。

濱先生:医師として、低侵襲性にこだわるならnodocaの導入を考えても良いでしょう。一般的に、患者さんの回転(診療のスピード)を優先するのであれば、昔のように太めの注射針で素早く血を抜いたり、綿棒でピッと採ったりしたほうが早いです。時間が多少かかっても可能な限り患者の苦痛を小さくしたい人という先生方には、nodocaが適していると思いました。

あとは未来に投資したい方にもすすめたいですね。例えば、私が行っている検査のデータが別の疾患の新たな診断に役立つかもしれない。そんなふうに、医療の未来をメーカーと共創したいと感じたら、nodocaの導入は選択肢になりえるでしょう。


※1) 6歳未満の患者さんに対する使用は、有効性及び安全性が評価されていないため、推奨されておりません。詳しくは添付文書をご参照ください。

※2) nodoca、nodocaクラウドは、アイリス株式会社の登録商標です。

 

インタビュー・写真:水谷秀人

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